【日本的経営の特徴】集団主義と人間主義
「日本の経営組織の実質的単位が、個人ではなく、職場集団だ、ということから、職場集団のもつ機能は特に重要で ある。そして、職場家族主義が発生して以来、職場の人間関係で、最も大事なこととして、一貫して「人の和」が強調 されている」。前述のように雑多な人間で構成されている職場では、職場の分掌業務を円滑に行うためには「人の 和」はなくてはならないのである。 日本の企業は組織と人間の問題に対し、「日本人の行動様式からでてくる自然発生的なものであり、それを巧みに 利用した意図的なものである。その中核をなすものとして、集団主義と人間主義の観念が見られる」。これは、その 評価が人間性というあいまいな言葉に重要性がおかれる。一方で、欧米では、組織をめぐる人間問題は「技術的優 位性」にある。そして「技術的優位性」の根拠は、組織成員相互の人間関係を客観的なものとして没人間的なものに おきかえる。組織のなかの個人の職務とは、そのような没人間的な性質をもっている。 「個人主義と、没人間化を前提につくりだされた西欧のビューロクラシーの下では、それゆえ、次のような問題が発 生する。その一つは、全体として巨大な組織と、その単位である個人の問題、すなわち、巨大な組織の下での、人間 の無力感であり、その二つは人間の没人間的扱い、すなわち人間の道具視(あるいは機械の部品としてあつかうこ と)に対する反感である。これらは一括して組織からの疎外とよばれている」。つまり、これは、組織を人間性を無視 した機械のように動かすことを目指したことからくる。 機械モデル組織の破綻について、「組織が真に生き生きとした活力を保つには、人間革命を必要とする。そして人間 革命の中心的課題は、いかにして生き生きとした創造的人間を、組織化のなかにおいて得るかである」。欧米流の 組織感では、「組織化か人間か」という形でしか見ず、その中間の小集団の重要性は無視されがちである。これは、 組織とか社会的権威と抗争する個人ということが主題の西欧の近代思想の流れ、集団と個人とを峻別し、この区分 を絶対視する固定観念がある。一方、日本社会では、家族とか近隣、友人関係、親分子分、先輩後輩といった小集団 関係が重きをなしてきた。
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