【戦略フレームワークの問題点】中小企業が既存フレームワークを使えない理由
主な戦略フレームワークが開発された歴史的背景は、1948年から1973年までアメリカ資本主義の黄金時代であ り、大企業は力が余りに強すぎて「政府のことなどほとんど気にかけず、株主や従業員や組合に対する条件を決定す る力をもつ、強力で枠をはめられていない勢力」というイメージであった。その結果、アメリカ政府はこれら企業に独 占禁止法違反で訴追すると脅しをかけた結果 、自社の最も得意とする分野とは無関係な事業への多角化を促し た。そして、当時BCGをはじめとする戦略コンサルタント会社のクライアントは、大多数が大企業であったたため、大 企業向けの、特に多角化をコントロールするための戦略フレームワークが研究され、開発されていったのである。 「戦略計画作業において重視された点は、しばしばコンサルティング会社によって開発されてはいたが、その技法も 、業界全体の視野に立つというよりも、多角化企業のためのものだった」 また、初期の経営戦略論が提示した戦略フレームワークは、「難解」で大変な勉強が必要であり、かつ「膨大なデー タ」が必要である。そして戦略策定の主体は、「実務家、経営者、学者やアナリスト」である。つまり、これら戦略フレー ムワークの特徴は、トップダウン分析型である。トップと現場が切り離され、トップ、またはトップに近いスタッフが戦 略形成の主体となる。その戦略は膨大なデータを分析することが重要視される。 このように大企業向けに開発された既存の戦略フレームワークは中小企業には不向きである。その理由は、第1に、 プロセスに膨大な手間とデータが必要で、経営トップに近い専門のスタッフ部門が必要である。第2に、難解であり 、経営学を専門に学習したスタッフが必要である。第3に、多くのフレームワークが大企業の多角化事業をコントロ ールするためのものである。
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